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大麦若葉の青汁成分による農薬の分解 |
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現在、各種の農薬が食品の保存、農業生産等に広く使用されているが、残留農薬としての環境への拡散が問題となっている。大麦若葉の青汁成分の研究(第2報)において、大麦若葉の青汁粉末は各種の酵素活性を有し、さらに保存料・防腐剤として使用されるソルビン酸、酸化防止剤であるBHT等を分解することが明らかにされたことに鑑み、大麦若葉の青汁成分が更に広く各種の農薬の分解に有効であると考え、大麦若葉の青汁粉末による農薬の分解に関する実験を行い、新知見を得ることができた。 |
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実験方法 |
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反応条件により反応系1、2および3を構成した。
反応系1:本実験に使用した酵素標品は、大麦若葉の青汁粉末1gまたは3g/100g Trizma 緩衝液を10分間攪拌後、吸引濾過を行い調製した。その一部を対照として120℃、25minのオートクレーブによる加熱処理を行った。マラチオン30ppm水溶液、マラチオン30ppmに調節した1%または3% 酵素溶液100mlの反応系をpH7.4、5℃で反応させ、経時的に反応系より採取した試料をVarian社製のC-18SPEカートリッジ(3ml)で精製後、マラチオンを酢酸エチルで回収して、マラチオンの残存量を、Hewlett-Packerd 5890SeriesUgaschromatograph-FPD(phosphorus mode);シリカキャピラ
リーカラムDB-5(J&W Scientific,USA)を使用してガスクロマトグラフィーにより定量した。
反応系2:反応系1と同様に調製した酵素溶液100mlに4.6mg/mlの濃度のマラチオンのアセトン溶液0.5mlを添加し、25または37℃、pH7.4で反応を行った。マラチオンの定量は反応系1と同様に行った。
反応系3:本実験に使用した酵素溶液は、大麦若葉の青汁粉末をrizuma緩衝液に15%になるように懸濁した懸濁液を20分間攪拌後、吸引濾過を行い調製した。大麦若葉の青汁成分による各種の農薬マラチオン(malathion)、グチオン(guthion)、クロルピリフォス(chlorpyrifos)、ダイアジノン
(diazinon)、メチダチオン(methidathion)、パラチオン(parathion)に対する分解実験は、15%酵素溶液に各種農薬を10mg/lの濃度になるように添加し、37℃、pH7.4、3時間の反応により行った。各種農薬の定量は反応系1に準じて行った。 |
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実験結果並びに考察 |
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反応系1:マラチオンの分解を3%酵素溶液により5℃で行った場合、1日目で85%、4日目で100%の分解率を示した。1%酵素溶液の場合には、4日目で74%、10日目で87%の分解率を示した。
反応系2:マラチオンの分解を25℃で行った場合には、4時間の反応においては、3%酵素溶液では67%、1%酵素溶液では35%の分解率を示した。マラチオンの分解を37℃で行った場合には、4時間の反応においては、3%酵素溶液では95%、1%酵素溶液においては57%の分解率を示した。大麦若葉の青汁成分によるマラチオンの分解は濃度依存性および温度依存性を示した。
反応系3:大麦若葉の青汁成分の15%酵素溶液に有機リン化合物である各種の農薬マラチオン、グチオン、クロルピリフォス,ダイアジノン、メチダチオン、パラチオンを10ppmに調節した反応系を37℃、pH7.4、3時間の反応条件に対して分解率を比較した結果を図1に示した。本実験条件においては、マラチオン、クロルピリフォスは100%分解された。更に、有機リン剤以外のアラコール(alachor)、モリネート(molinate)、フルシラゾールの(flusilazole)に対して34、10、70%の分解率を示した。
大麦若葉の青汁粉末は、食物中に含まれる食品添加物、調理過程において生成する有害物質の分解に関与する酵素群を含有することを、大麦若葉の青汁成分に関する研究の第1、2、8報で報告しているが、本報告においては、更に各種の農薬の分解に対して有効であることが明らかにされた。この結果から、大麦若葉の青汁粉末は、食品に対する広範囲に及ぶ解毒作用を有することを示唆するものである。
図1は、大麦若葉青汁の各種の農薬に対する分解作用を示したものである。
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